発行 No. 1 / 2022年3月
支援者および寄付者の皆様
高齢者を守る会(KSCA)とタスクフォース(Task Force)との合同募金委員会より、第1号のニュースレターを皆様へお届けします。
何よりも先ず、南カリフォルニア日系社会にベッド数100で日本文化を配慮する非営利の看護施設を再建するという私たちの目標を実現するため、温かいご支援とご寄付を賜りました皆様へ深甚なる感謝の気持ちを表明いたします。
このニュースレターは、皆様にこの目標へ向けて私どもの仕事がどのように進行しているかをお伝えするためのものです。
タスクフォースと名付けた一つの会が、日系看護施設再建のため設立されたのは、2020年のことでした。この会の役割は、上記目標を達成するための計画立案です。現在この会の手で、100ベッド看護施設の青写真ができ上がりつつあり、そのための土地探しも進行中です。その施設の建造費だけでも約6,000万ドルが見込まれています。会では、日本文化を配慮する看護施設建設の必要性を訴えるためのドキュメンタリー映画の制作が近頃決まり、制作費はUCLA/アラタニCARE基金から提供されることとなりました。このドキュメンタリー映画には、施設再建の必要なことを日系社会の皆さんに広くお伝えする上で、大きな助けとなる期待が寄せられています。タスクフォースのウェブサイト も現在、再建計画の進行状況その他の情報を含める形で準備されている最中です。ニュースレターは、皆様にこれらの諸状況につきこれからもお伝えして参ります。
ご存知のように、敬老高齢者4施設は2016年に売却されましたが、そのとき新オーナーのパシフィカ社と取り交わされた契約には、以後5年間は日本文化を配慮した看護を継続すること、そしてメディケアやメディキャルに頼る居住者を受け容れ続けることとが含まれていました。しかし、この契約は2021年2月に期限切れとなりました。その結果、パシフィカ社は最早これらのサービスを提供する義務を負ってはおりません。実際にもパシフィカ社は、契約切れにもとづき2021年8月、営利目的の一般居住者用ビル(マンション等)建造のためサクラ中間看護ホーム(ICF)を閉鎖してしまいました。これに伴い、中間看護ホームの居住者97名は、新型コロナウィルスによるパンデミックの真っ最中に他施設への立ち退きを余儀なくされました。
パシフィカ社管理下の他3施設にいらっしゃる居住者の皆さんの今後の運命も不明です。今日のアメリカにおいて、日系高齢者が日本文化にもとづく看護を受けられる施設はもう存在しません。パシフィカ社は近い将来のいつなんどき、施設における日系高齢者のための看護サービスを中止しないとも限りません。今こそ、日系社会がまとまって非営利の高齢者看護施設再建のため協力し合うべきときではないでしょうか?
この日系社会にとって大切な仕事のため、今後も皆様から温かいご支援とご寄付が寄せられることを念じ、お願い申し上げます。
高齢者を守る会およびタスクフォースの合同募金委員会
堀尾誠司、入江健二、ジョンソン理絵子、梶由美子、加藤エイミー、中村久美子、スィウ真砂乃、渡辺京子、吉村アイリーン
(アルファベット順)
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